前回の特集では、「植林について当社が行っている取り組み(前編)」についてお伝えいたしました。今回は実際に植林を行った山へ行き、現況をレポートしたいと思っています。
みなさん、こんにちは。
梅江製材所の梅江です。
今日は当社で保有している山に実際に出向いた様子をご紹介したいと思います。前回の記事でも述べましたが、木が成長し、商品化されるまでには下記のようなサイクルを辿ります。
という大きな流れがあり、このサイクルを約20〜30年かけて行っています。
詳しくは、第52回 「梅江製材所 植林への取り組み(前編)」についてをご覧ください。
今から約20年前のことになりますが、大型の台風により根こそぎ森がやられてしまうという事がありました。
当時は現在のような林道がなく、倒れた木を運び出すことさえできない状態でした。せっかく育った木を出荷できないということは林業を営む私たちとしては死活問題だったんですね。
山というのは多くの山主が管理を行っていますが、風倒木をそのままの放置した状態にしておいては共倒れになってしまいかねない状況だったため、皆で話し合い、土地を少しずつ出し合ってこの林道を作ったのです。(当時は補助金を活用して林道を作りました)
次にこちらの写真ですが、まだ植林をして10年以内のものばかりです。
(害獣被害にあっているため成長が疎らです)
一番小さい木は今年の2月に植えたもの。まだまだ小さな小さな苗木です。
最近は全国的に鹿からうける被害があとを絶ちません。私の山でも例外なく被害を受けてしまっているのが現状です。
鹿は若い苗木の革を好んで食べます。一度食べられてしまうと、成長が鈍化したり場合によっては育たなくなってしまうんですね。
こちらの木は鹿から被害にあったものです。幹の皮がほとんど食べられてしまっていますね。
同じ時期に植林をしても、一度被害にあってしまうと成長するスピードが変わってきます。(場合によっては育たなくなるケースも)
被害を受けずに育った杉の木は4年立つと写真の大きさになります。
このくらいの大きさになると下草を刈らなくても、自分でグングンと成長していくんですね。
こちらの左側の写真は7年くらい経った杉の木です。私の身長の何倍にも成長しています。
右側の写真の奥の木は30年~50年経っている木です。もうここまでくると相当立派な木になっていますね。
一見まっすぐに伸びている杉の木ですが、実は向きを変えてみると曲がっていたり・・・下から見るとよじれているのがハッキリとわかります。
手入れが遅れてしまうと、光の入ってくる量が極端に少なくなり、全体的に成長が悪くなり、まがったり、S字にうねったりする木が増えていってしまいます。悪い木を切れば、光が当たり始め、木と木の間に光がしっかりと差し込み、また真っ直ぐに成長し始めるのですが、真っ直ぐになるにはもう10年から20年の長い年月がかかるのです。
また、枝打ちをすることで節の少ない良い木を育てることができます。枝を落とすことにより節をなくしていく事ができますが、枝がないと成長が遅くなるという相反することになります。木の成長を見極めながら日頃から手入れをするということが素性の良い木をつくるためには欠かせないんですね。
ところで、杉や桧と一緒に広葉樹も植えているのはご存知でしょうか?
実は針葉樹だけの森というのは土砂災害などが多くなる傾向があります。一体なぜなんでしょうか?
それは針葉樹と広葉樹の根の張り方の違いがあります。
一般的に針葉樹は根が奥深くまで成長しません。反面、広葉樹はいたるところに深く根を張るため地面を固めてくれる役割があります。この性質を利用して、針葉樹との間には適度に広葉樹を植林していっているのです。
こちらは「一般社団法人緑の循環認証会議(SGEC)」の考え方に基づき、森の循環を考えた植林方法で活動を行っています。
このあたり一体は今は木が生い茂っていますが、20年前はすべてが平地で何もありませんでした。
この場所に植林を行って今の姿がありますが、最初は小さかった木がどんどん太って、あっという間に風景が変わっていきました。
木を1本育てるのには非常に時間がかかりますが、反面愛着が非常に湧いてきます。
「自分が育てた木に対してはしっかりと、手入れをしてあげたい」という気持ちが大きくなりますね。
長い目で見て新たな森を作っていくということが林業を営む私たちにとっては重要なことなのです。
梅江製材所では、ご購入いただいた商品で施工された写真などをブログなどでもご紹介させていただいております。ぜひ皆様も、ご自慢の施工実績をおくってくださいね!
梅江製材所では、ご購入いただいた商品で施工された写真などをブログなどでも
ご紹介させていただいております。ぜひ皆様も、ご自慢の施工実績をおくってくださいね。